アルゼンチンタンゴダンス・四十八願恵太のブログ

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<<   作成日時 : 2008/04/15 21:46   >>

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拝啓 春爛漫の好季節となりました。
木々の緑も色鮮やか、
先生もお変わりなく
お元気にお過ごしのことと
お喜び申し上げます。
日頃はご無沙汰ばかりで
申し訳ありません。



今日、
先生にお手紙を差し上げますのは、
4月15日が私にとって節目の日だからです。

タンゴを踊りはじめて、
今日でちょうど10年がたちました。

10年間何かを継続した、
その経験は私にとって初めてのこと。












先生と出会わなければ私は、
タンゴを踊っていませんでした。












大学を卒業したばかりの当時、
私は楽しく打ち込める
「何か」をさがしていました。






「ダンス、やってみようかな…」






手当たり次第に
ダンススタジオの
見学や体験をしてみました。

しかし、
ジャズもヒップホップもバレエも
全然ついていけない。

しかも周りのひとたちは
なんとなくイジワル。

初めてだから…?

いやいやそうでもないようで。

初めて、
あるいは2回目の
生徒さんも多いなか(4月だから)、

「私だけ」

周囲と違う方向を向いていたり、

「私だけ」

ツーステップが踏めなかったり、
…だったのです。






「向いてないのかな、ダンス…」






悲しい気持ちになりましたが、
インストラクターの後ろで
形態模写ができないのでは、
やっぱり行ってもしょうがない。



じゃあ、
次に見学に行った場所で
なじめなかったら、
ちがう習い事をしよう!



そう決めて、
雑誌に掲載されていた
先生のスタジオに
お伺いしたのです。






そもそも私は、
あのスタジオのドアを開けるまで、
タンゴがペアダンスだということすら
知りませんでした。



見学予約の電話をかけ、
指定された時間にお伺いすると…



ブルーで統一された
スタジオのなかには、
いままで聴いたことがないような、
それでいてなつかしい音楽が流れていて。

そして、
いままで見たこともないような
綺麗な女性たちが、
男性とピッタリ組んで
踊っているではありませんか。



先生は、
なつかしいような、
どこかでいちど
お会いしていたかのような、
落ち着きのある笑顔で
私を迎えてくださった。



10年前のこの日、
先生とこうして出会っていなければ、
私はきっとタンゴを踊っていなかった、
と思うのです。



別の場所では
たぶんタンゴを踊らなかったでしょう。






毎日のように
先生のスタジオに通ううち、
サリーダができるようになり、
オーチョができるようになり、
いちばんかんたんな振付を
なぞることができるようになった。



先生、
実はあの当時私は、
スタジオに出入りしていた
すこし年上の女のひとたちに
認められたい、
その一心で練習に
通い続けていたんです。



お酒好きな先生と、
ほとんど毎晩のように
スタジオでビールやワインを
飲みましたね。



私の学生生活なんて
子供の時分から
まことに地味なものでした。



学校を卒業して初めて、
自分にあったサークルやクラブ活動を
見つけたような気がして、
私はとても有意義で、
しあわせな時間をすごすことが
できたのです。



すこし年上の女のひとたちと関わりたい、
先生と一緒にお酒を飲んでお話したい、
自分の居場所を確認したい…、
そんな気持ちで続けていたタンゴを、
私はいつからか本気で愛するようになり、
やがてタンゴありきで生活を組み立てるようになりました。












時がたって、
私は先生のスタジオに通わなくなり、
別の場所でタンゴを踊るせつなさを知り、
別の場所で恋の痛みを知り、
別の場所でタンゴを仕事にする
厳しさや楽しさを知るようになりました。



けれども、
10年たったいまでも、
あの横浜の素敵なスタジオで、
タンゴ音楽に出会ったこと、
生徒さん同士で楽しく遊んだこと、
先生に優しくされたこと、
それらはとても忘れられることではありません。






先生、
私は先生のことを思い出すたび、
20代前半の頃の自分に戻ってしまう。

すこし気弱で、
先生のことが大好きで、
横浜にいるのが大好きで、
恋とタンゴとスタジオに夢中だった
あの頃に。

将来、
自分が何をもってして生計を立て、
いかにタンゴを踊り続けていくか…という、
答えの出ない思いにとらわれていた
あの頃に。

仕事や人間関係で
いやなことがあったとき、
スタジオに行って、
先生やまわりの生徒さんに甘えて、
お酒を飲んで、
泣いて、
笑って、
次の日を生きる元気をもらっていた
あの頃に。



先生はおっしゃいましたよね。

「四十八願君!あんまり先のこと考えなさんな!昨日も明日もないのよ…、今日をしっかり生きなさい」

…と。

そんな生き方ができているか、
いまでも自信がありません。



迷っていたり、
困っていたり、
言いたいことがあったりすると、
先生にはいつも見透かされてしまいました。



いまの自分がどう映るのか、
いますぐ会いに行きたいような気もします。












かつて、
うまくひとと関われなかった私は、
いまではミロンガなるものを主催し、
大勢の方々の前でマイクを握り、
自分の作品を踊るようになりました。

続けてきたクラスでも、
生徒さんたちに伝えたいことを、
だいぶ滑らかに伝えられるように
なったのを感じます。

慕ってくださる生徒さんも、
ありがたいことに少しずつ増えたんですよ。

先生がそうされていたように、
他者との比較はやめて、
私は私のタンゴを踊り続けたいと思います。






運命を変えてくださって、
本当にありがとうございました。






これから寒が戻る日もあるようです。
ご体調をくずさぬよう、
どうかくれぐれもご自愛ください。

先生に出会って10年、
タンゴに出会って10年。

まずは御礼まで。   敬具






 2008年4月15日
    四十八願 恵太
N先生

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